タワマンの低層階と、普通マンションの最上階。心理学的に幸せなのはどっち?

マインド

「もっといい車に乗りたい」
「あの人が持っているハイブランドのバッグが羨ましい」

私たちが日常で感じるこうした「物欲」や「焦り」の正体は、実はあなた自身の本心ではなく、すべて「他人との比較」から生まれています。

心理学には、人間は自分の価値を測るとき、どうしても周囲の人間と自分を比べてしまうという「社会的証明」や「社会的比較理論」という法則があります。

この比較心理を象徴する有名な例え話があります。
「タワーマンションの低層階に住む人と、一般的なマンションの最上階に住む人、心理学的にストレスが少なく幸福度が高いのはどちらか?」という問いです。

私は臨床心理士・キャリアコンサルタントとして人の心のメカニズムを研究しながら、新NISAでの資産形成を組み合わせ、現在の資産は2,461万6,825円(含み益+572万円超)に達しました。

今回は、このタワマンの例え話から、なぜ人間は他人と比べると不幸になるのかという「脳のバグ」を解き明かし、見栄のゲームから抜け出して本当の資産を築くための自分軸の作り方を分かりやすく解説します。


1. 脳は「絶対的な豊かさ」を評価できない

人間の脳には、自分の資産額や生活水準の幸せを、数字そのもので評価できないという不都合なバグがあります。

例えば、客観的に見れば「年収1,000万円」というのは十分に高収入です。しかし、もし自分の周りのご近所さんや同僚が全員「年収3,000万円」だったとしたらどうでしょうか。脳は強烈な劣等感とストレスを感じ、自分を「貧しい」と錯覚してしまいます。これを心理学で「相対的剥奪(そうたいてきはくだつ)」と呼びます。

タワマンの低層階に住む人は、客観的には非常に豊かな暮らしをしているはずです。しかし、毎日エレベーターに乗るたびに、自分より上の階(=より高収入と思われる人たち)のボタンが光るのを目にすることになります。脳が日常的に「自分より上の存在」を意識させられる環境(上方比較)に置かれるため、知らず知らずのうちに心がすり減っていってしまうのです。

一方で、一般的なマンションの最上階に住む人は、そのコミュニティの中で「トップ」に位置しています。周囲を見下ろす、あるいは同等以上の環境にいると感じるため、脳は「自分は安全なポジションにいる」という自己有能感を抱きやすく、心理的なストレスが圧倒的に少なくなります。

つまり、人間を不幸にするのは「お金がないこと」そのものではなく、「自分の周りと比べて、自分の方が劣っている」と感じる環境なのです。


2. 他人軸の「見栄のゲーム」には終わりがない

この比較のバグにハマってしまうと、どれだけお金を稼いでも絶対に幸せになれない「見栄のゲーム」に強制参加させられることになります。

  • タワマンの上の階に行きたいから、もっと無理して稼ぐ
  • 周りに負けたくないから、身の丈に合わない高級車をローンで買う
  • SNSでマウンティングしたいから、高級ホテルに泊まる

これらはすべて、自分の心が本当に求めている消費ではなく、他人の目を基準にした「他人軸の消費」です。

悲しいことに、他人軸の消費にはゴールがありません。上には上がいるからです。どれだけ上を追いかけても、脳の渇きが癒えることはなく、稼いだお金は見栄を維持するためのコスト(固定費)としてすべて消えていってしまいます。これでは、いつまで経っても資産形成の土台となる「入金力」が育つはずもありません。


3. ジェイソン流の節約が教えてくれた「自分軸」の強さ

私が貯金200万円からスタートし、現在の2,000万円を築くまでの過程で最も大切にしてきたのは、この「他人の目を気にするゲームから、完全に降りる」ということでした。

厚切りジェイソン氏の徹底した合理主義的な節約術が、なぜこれほどまでに多くの人の心をラクにするのか。それは、単にケチる技術ではなく、「自分にとって何が本当に幸せか」という自分軸をカチッと固める作業だからです。

毎日のお菓子やラテマネーをコントロールする。スマホを格安SIMにする。これらは一見地味ですが、「私は他人の目なんか気にしない。自分の未来のためにこのお金を使うんだ」という、自分の人生を自分でコントロールしている感覚(自己決定感)を強烈に育ててくれます。

自分軸が固まると、タワマンの階数も、他人の時計も、SNSの爆益報告も、すべて自分の人生には1ミリも関係のない「ただの背景」に変わります。ノイズが消えるからこそ、新NISAのインデックス投資に淡々とお金を回し続けることができるのです。


4. まとめ:一番高い階に住むべきは、あなたの「心」

私たちが本当に目指すべきなのは、タワマンの最上階に住むことではありません。あなた自身の「幸福度の基準」を、誰にも脅かされない一番高い場所に置くことです。

証券口座の2,000万円という数字は、他人に自慢するためのものではありません。私と私の家族が、これからの人生を誰にも支配されずに、自律して生きていくための「精神的な砦」です。

他人の目を気にして買い物を変えるのは、今日で終わりにしましょう。

新NISAという素晴らしい仕組みを使って、賢く守りの土台を作る。そして、あなたの心が本当に心地よいと感じるものだけに、大切なお金と時間を集中させていく。

他人軸のゲームから一歩抜け出して、あなただけの平穏で豊かな航海を始めていきましょう。