【クロネコ主任より】 「投資を始めたいけど、どの株を買えばいいの?」「S&P500とオルカンって聞くけど、何が違うの?」
今、投資を始めた方、あるいはこれから始めようとしている方が最初に出会う「最適解」の一つが、「全世界株式インデックスファンド」、通称「オルカン」です。
私がポートフォリオ(資産の約52%)の核にオルカンを組み込んでいるのは、単にリターンが高いからではありません。「心の安定と長期的な継続」という、投資で最も大切な土台を提供してくれるからです。
この記事では、投資初心者の方に向けて、オルカン(全世界株式)の仕組みをゼロから解説し、そのメリットとデメリット、そして「迷ったらオルカン」と言われる理由を、臨床心理士の視点も交えて徹底解説します。
この記事を読めば、あなたは不安なくオルカンへの一歩を踏み出せるはずです。
1. オルカンとは?基本の仕組みと「究極の分散」戦略
オルカンとは、正式名称を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という、投資信託の愛称です。この一本を買うだけで、あなたは世界中の成長を取り込むことができます。
1-1. オルカンが投資する「世界」とは?
オルカンが投資対象とするのは、特定の国や企業ではありません。
- 投資対象国: 世界の47カ国(先進国23カ国、新興国24カ国)。
- 投資対象企業: 世界の主要な約3,000社。
つまり、このオルカン一本を買う行為は、「世界の約3,000社の株を、それぞれの時価総額(市場での企業価値)に応じて、自動的に分散購入する」ことを意味します。
1-2. 自動で成長国に資産が向かう「仕組みの優位性」
オルカンの最大の特徴は、「自動で世界経済の成長に乗れる」という仕組みの優位性です。
例えば、かつては日本経済が世界の中心でしたが、現在はアメリカが世界の経済を牽引しています。オルカンは、以下の比率で常に投資対象を調整してくれます。
| 国・地域 | 構成比率(概算) |
|---|---|
| アメリカ | 約60〜65% |
| 日本、イギリス、フランス、中国など | 約35〜40% |
もし今後、インドやアフリカ諸国の経済が急成長し、時価総額が大きくなれば、あなたのオルカンの比率も自動でインド株やアフリカ株の比率が増加します。
つまり、投資家であるあなたが「どの国がこれから伸びるか?」と悩む必要がなく、「世界の成長の平均点」を安定して取り続けることが可能なのです。
2. オルカンの最大のメリット:「心の安定」と「ほったらかし運用」
クロネコ主任がオルカンをコア資産に選ぶ理由は、そのリターン性能だけでなく、「投資を継続するための心の土台」を築ける点にあります。
メリット1:世界分散によるリスクの劇的な低減
オルカンは、約3,000社に分散投資しています。どこか一つの国や、一つの企業が倒産しても、資産全体に与える影響は極めて軽微です。
- カントリーリスクを軽減: アメリカ一国に集中するS&P500と比べ、特定国の経済危機や政治リスクに強いです。
- 個別企業リスクをゼロに: どの企業が勝つかという個別株投資の難しさがありません。
メリット2:最も低コストで「自動リバランス」機能付き
オルカンは、投資信託の中でも信託報酬(運用管理費用)が非常に安く設定されており、手数料負けしにくいです。
さらに、構成比率が崩れると自動で調整される「自動リバランス」機能も兼ね備えているため、投資家が手を加えなくても、常に最適な分散状態が保たれます。これは、忙しい現代人にとって、心理的負荷を減らす最高の仕組みです。
メリット3:究極の「ほったらかし運用」が可能
「どの国が伸びるか」「いつ売買すべきか」を一切考える必要がありません。一度設定すれば、あとは毎月淡々と積み立てを続けるだけです。
臨床心理士の視点から言えば、「投資における不安」の多くは、「何をすればいいか分からない」という知識不足と、「頻繁にチェックしてしまい、感情が乱れる」という過剰な行動から生まれます。 オルカンは、この両方の不安要因を取り除いてくれます。
3. オルカン最大のデメリットと注意点
完璧に見えるオルカンにも、必ずデメリットと注意点があります。これらを理解してこそ、冷静な判断ができます。
デメリット1:アメリカの動向に大きく左右される
約65%がアメリカ株で構成されているため、オルカンと言えど、アメリカ経済の動向から完全に逃れることはできません。
- もしアメリカ市場が大きく暴落した場合、オルカンもS&P500ほどではないにせよ、大幅に値下がりします。
- 「全世界」という名前でも、実態はアメリカ株の影響を強く受けることを理解しておく必要があります。
デメリット2:爆発的なリターンは狙いにくい
オルカンは世界経済の「平均点」を目指す商品です。
特定の一国(例:絶好調のアメリカ)に集中投資するS&P500が大きく伸びている期間は、オルカンのリターンはそれには及びません。リターンは安定していますが、「一攫千金を狙う」という目的には向きません。
デメリット3:為替変動の影響を分散しきれない
ドル建ての資産が多いため、円高に振れた場合、資産の評価額は目減りします。 複数の通貨に分散されているためS&P500よりは影響が小さいですが、日本円で生活する私たちにとって、為替リスクは常に意識すべき注意点です。
4. S&P500とどっちを選ぶべき?クロネコ主任の判断基準
私のポートフォリオでは、オルカンとS&P500を両方組み合わせています。 どちらか一つを選ぶのではなく、ご自身の目的と心理状態に合わせて役割を決めましょう。
| 選ぶべき人 | オルカン(全世界株式) | S&P500(米国株式) |
|---|---|---|
| 目的 | 安定性重視。世界経済の成長を幅広く取り込みたい。 | 成長性重視。アメリカ経済の持続的な強さに賭けたい。 |
| リスク許容度 | 低〜中。値動きで不安になりたくない人。 | 中〜高。多少の値動きは許容できる人。 |
| 主任の戦略 | ポートフォリオの「コア」(守り)として、半分以上を占める核とする。 | ポートフォリオの「サテライト」(攻め)として、一部の成長期待を取り込む。 |
【結論】迷ったらオルカンでOK
投資初心者の方や、「投資で失敗して心が折れるのが怖い」という方は、まずはオルカン一本から始めることを強く推奨します。世界に分散することで、最も心理的に安定した状態で、長期投資を続けることができるからです。
5. オルカンを始めるための具体的な手順と注意点
オルカンは非常にシンプルですが、以下の2つの手順を踏むだけで簡単に始められます。
手順1:ネット証券で口座を開設する
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)のような低コストな投資信託は、ネット証券(SBI証券、楽天証券など)でのみ購入可能です。
- 新NISA口座で開設すれば、利益が非課税になるため、必ずNISA口座から埋めていくのが鉄則です。
- 開設にはマイナンバーカードと本人確認書類が必要です。
手順2:毎月の積立設定を行う
購入する投資信託を選び、毎月の積立額と引き落とし方法(銀行引き落としまたはクレジットカード)を設定します。
- 金額: 無理のない範囲(例:毎月1万円)から始める。
- タイミング: 「時間分散」効果を得るため、毎日または毎月の積立設定にしましょう。購入タイミングに悩む必要はありません。
【主任からの助言】
投資は「時間をかけるほど、有利になるゲーム」です。完璧なタイミングを待つのではなく、この記事を読み終えたら、すぐに口座開設の第一歩を踏み出すことが、最も高いリターンにつながります。
6. 結び:オルカンは「時間」を味方につけるツール
オルカンは、あなたが忙しく働いている間も、眠っている間も、世界経済の成長をあなたの資産に取り込んでくれる最高のツールです。
- 「時間」を味方につけ、「複利」の力を最大限に活用する。
- 「分散」の力で心理的な不安を最小限に抑える。
このシンプルなルールを守り、オルカンと共に長期的な資産形成を続けていきましょう。
不安は、正しい知識と行動で解消できます。あなたの資産形成の第一歩を応援しています。

